NHKとの団体交渉【春闘2019】

2019年04月26日 23:17
カテゴリ: NHK関連2019

2019年4月26日
団体交渉後日談の前に、最近気になった記事を紹介します。


(1)本村伸子衆院議員2019年3月19日の総務委員会
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https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-04-24/2019042414_03_1.html

(1)の内容は、本村伸子衆院議員がNHK執行部に対して、今後更なる受信料減免枠の拡大、NHK地域スタッフへの処遇を改善するよう要請。上田NHK会長は減免の拡大について、「慎重に検討することが必要」。NHK地域スタッフに対しては、「重要なパートナー、今後も適切に処遇していく」と述べた。


(2)「名ばかり事業主」の苦しみ
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https://news.yahoo.co.jp/feature/1295

(2)の内容は、契約上は個人事業主だが、雇用された労働者と同じように働かされる「名ばかり事業主」。個人事業主は労働法で守れない為、突然の首切り、残業や休日手当不払い、最低賃金以下など、労働者にとって非常に不利な条件がまかり通る。現在この働かせ方はNHK地域スタッフのみならず、美容師、訪問販売、IT技術者、塾講師、宅配便ドライバー、大工とさまざまな業種に広がりつつある。「名ばかり事業主」その実態を追う。


さて本題に移ります。4月22日、NHK高知放送局内会議室にて、平成最後の春闘団体交渉をしました。本組合からは、NHK地域スタッフ1名、NHKメイト1名、一般企業で働く方2名、高知県労連書記長、計5名が出席しました。

今回は、本組合の要求のみならず、全日本放送受信料労働組合との統一処遇改善要求、高知県労連統一要請合わせ、計19項目の要求書をNHKに対して提出しました。いくつかの要求項目についてのNHKの回答を抜粋にてお知らせします。

〇NHK地域スタッフの事務費(賃金)
(NHK)昨年と同一成果を上げた場合、3.3%のベースアップにつながる回答。
(組合)一昨年の2%、昨年の3.6%と今年を合わせて8.9%ベースアップになりますね。近年、訪問取次以外で受信契約ができるインターネット、郵送契約が増加しており、その補填ということでしょう。個人的には評価したいが、NHK正規職員の平均年収は1700万円(給与+福利厚生)といわれ、契約社員との賃金格差はあまりにも開きすぎています。NHKで働く正規、非正規すべての人に対して賃金格差の是正を求む。

〇NHK地域スタッフ交通経費について、実費を支払うこと
(NHK)事務費(賃金)に含まれています。
(組合)「ああそうですか・・・」と言いたいところですが、NHKから預かっている事務費のあらまし(平成21年~平成30年)にはどこにもそんな文言が存在しません。また、消費税の計算もおかしくなりますよね?と反論。あまりにもおかしな回答なので、日を改めてNHKに再度確認したいと思います。

〇NHKメイト70歳定年廃止、メイト、委託所スタッフへの健康診断費用をNHKが負担すること
(NHK)高齢者の交通事故件数、社会問題を考慮し、70歳までと考える。健康診断は各自治体の無料診断を利用してください。
(組合)「NHKで働く者の命と健康を守る」というスローガンを掲げる以上、その道義的責任を果たすこと。NHK職員やNHK地域スタッフ同様、メイト、委託所スタッフに対しても健康診断実施を今後も求めていく。

〇他労組との便宜供与を公平に
(NHK)掲示板の設置場所について、NHKは他の労働組合と差別的な取り扱いは行っていません。
(組合)私たちは、これまで最高裁の判例を引き合いに出したりと、何度も丁寧に説明をしましたが、いまだに便宜供与の差別は続いています。それと合わせ、日放労の組合員に対する支配介入の疑いもあります。これ以上交渉の余地はありません。

〇NHK地域スタッフへの過重なノルマ、特別指導の見直し
(NHK)過重なノルマを課していません。目標数は、地域実態に即した適正な数を設定しています。特別指導は、地域スタッフの自力による業績回復を願って実施するものであり、実施要領に基づき適正に実施しています。
(組合)適正なノルマならば、この何年かで、5700人ほど従事していたNHK地域スタッフが1000人(2割)にまで激減することはない。多くの仲間が過重なノルマによって仕事を失った。これは立派なパワハラだ。達成が義務というならNHK職員も一緒に回って、自分たちが設定したノルマを一年通してできるか手本を見せてください。この過重なノルマによる地域スタッフの激減が要因であろう。強引な外部法人社員が増え、この10年で訪問員に対する視聴者からの苦情が5倍にもなった。NHKの命健康スローガンや視聴者への配慮を度外視したやり方に真っ向から批判、否定しました。この件も含め、私たちはパワハラ、いじめに関して、これからも一切妥協する考えはありません。

その他、正規、非正規の均等待遇、非正規労働者の正規社員化、男女雇用機会均等、改正育児休業制度への対応、政権与党への偏向報道是正。受信料額については学生や絶対的貧困層への減額など要請をしました。

最後になりますが、今回、NHKに提出したよさこいユニオン要求書や県労連統一要請書は、NHK以外で働く方が、様々な意見を取り入れ作成しました。この場を借りて多大なご協力に感謝しています。また全受労の皆様、昨年の労働組合法上のNHK地域スタッフ労働者性獲得、今次春闘の統一要求の実現、誠に感謝しています。本当にありがとう。どこまでやれるかわかりませんが、これからも弱き立場の労働者のため、私たちはベストを尽くします。

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