県労連機関紙

友好団体高知県労連の情宣

6月機関紙

第97回高知県中央メーデー ― 声を上げることの意味

【1.第97回高知県中央メーデーの開催意義】
第97回高知県中央メーデーは、東洋電化中央公園において開催され、労働組合や民主団体などから500人が参加した。働く者の権利や暮らしを守るための要求を掲げ、社会へ向けて発信する場として、多くの参加者が集ったことは大きな意義を持つものであった。

【2.働く人々を取り巻く厳しい現状】
近年、物価高騰や賃金格差の拡大、長時間労働、人手不足など、働く人々を取り巻く環境は厳しさを増している。医療や介護の現場では慢性的な人員不足が続き、働く人々の負担は増加している。また、不安定雇用や非正規労働の問題も依然として解決されておらず、多くの労働者が将来への不安を抱えている状況である。

【3.現場の声を社会へ届ける重要性】
このような中で開催された今回のメーデーは、単なる恒例行事ではなく、働く者の切実な声を社会へ届ける重要な機会となった。集会では、生協労組からの発言や医療・介護現場の実態報告、さらに平和や憲法を守る取り組みについての訴えが行われた。どの発言にも共通していたのは、「現場の声を社会へ届けたい」という強い思いである。

【4.「メーデーの見える化」という新たな取り組み】
特に印象的であったのは、「メーデーの見える化」の取り組みである。各組織の組合員が自身の要求を掲げた写真や動画を通じて発信し、県労連のフェイスブックなどを活用して広く世論へ訴えたことは、時代に即した新しい取り組みであったと考える。従来の集会形式だけでは届きにくかった層に対しても、SNSを通じてメーデーの意義や労働者の声を伝えることができたのではないだろうか。

【5.「声を上げる」ことの意味】
メーデーの原点は、労働者が団結し、より良い労働条件や人間らしい暮らしを求めて声を上げることである。しかし現代社会では、「声を上げても変わらない」「自分一人が言っても意味がない」と考える人も少なくない。そのような状況だからこそ、今回のメーデーが掲げた「要求を声に出して社会を変えよう」というスローガンには大きな意味がある。

【6.労働組合の役割と連帯の力】
社会の変化は、一人の声から始まることが多い。職場での小さな疑問や不満、暮らしの中で感じる不安や要望を共有し、多くの仲間と結び付けることで大きな力となる。労働組合の役割は、まさにその声を集め、社会へ届けることである。今回のメーデーは、その役割を改めて確認する機会となったのではないだろうか。

【7.政治・行政との連携の重要性】
また、来賓として国会議員や自治体関係者が参加し、連帯の挨拶が行われたことも重要である。労働者の要求を実現するためには、職場だけでなく政治や行政との連携も欠かせない。現場の声を政策へ反映させるためには、こうしたつながりをさらに強めていく必要がある。

【8.今後の課題と若い世代への発信】
一方で、課題も見えている。500人という参加者数は決して少なくないが、県内にはさらに多くの働く仲間が存在する。特に若い世代や非正規労働者の参加をどのように広げていくかは今後の大きな課題である。働き方の多様化が進む中で、労働組合やメーデーに対する関心を高めるためには、より身近で分かりやすい発信が求められる。

【9.SNS活用と運動の発展可能性】
今回取り組まれた「見える化」は、その課題解決への一歩となる可能性を持っている。SNSや動画配信などを活用し、働く人々の日常や要求を広く発信することで、これまでメーデーに接点のなかった人々にも関心を持ってもらえるはずである。社会の変化に合わせて活動の方法も進化させることが、運動の発展につながると考える。

【10.来年のメーデーへの期待】
来年の5月1日は土曜日であり、今年以上に参加しやすい条件が整う。家族や友人とともに参加できる企画や、若い世代が関心を持てる取り組みを充実させることで、さらに多くの参加者を迎えることができるのではないだろうか。

【11.未来へ向けたメーデーの役割】
メーデーは過去を振り返るためだけの行事ではない。未来をより良いものにするための出発点である。働く者一人ひとりの要求や願いを持ち寄り、仲間と共有し、社会へ発信していくことで、より暮らしやすい社会の実現につながるのである。

【12.おわりに】
第97回高知県中央メーデーは、その可能性と重要性を改めて示した集会であった。今後も多くの仲間が声を上げ、連帯を広げ、誰もが安心して働き暮らせる社会の実現に向けて運動が発展していくことを大いに期待するものである。

5月機関紙

メーデーと働く人の未来について考える

【1.メーデーは「働く人を守る日」である】
 5月1日の「メーデー」は、働く人たちの権利や団結を大切にする国際的な記念日である。もともとは1886年、アメリカ・シカゴで労働者たちが「1日8時間労働」を求めて立ち上がったことが始まりであった。
 当時は長時間労働が当たり前であり、休みも少なく、現在では考えられないような厳しい労働環境が広がっていた。そのため、「働きすぎでは人間らしい生活ができない」という声が世界中で広がり、メーデーへとつながっていったのである。

 日本でも1920年に初めてメーデーが開催され、「8時間労働」「最低賃金」「失業防止」が訴えられた。現在、私たちが休日や休憩を当たり前のように得られているのは、こうした長年の運動の積み重ねがあったからである。

【2.日本では今も長時間労働がなくなっていない】
 記事を読んで特に重要だと感じたのは、日本では現在も長時間労働が大きな問題となっている点である。
 統計上、日本人全体の平均労働時間は昔より減少している。しかし、その背景には非正規雇用や短時間労働の増加がある。つまり、「短時間しか働けない人」が増えたことで平均時間が下がっているだけであり、正社員には今も長時間労働が集中している実態がある。

 その結果、過労死や過労自殺が現在でも発生している。仕事が原因で命を落としたり、心を壊したりする人がいる社会は、決して健全な社会とは言えない。
 「働くこと」は大切であるが、健康や家族、人生を犠牲にするほど働かなければならない社会であってはならないと感じる。

【3.裁量労働制の拡大には大きな不安がある】
 記事では、高市首相が「裁量労働制」の拡大を進めようとしていることも紹介されていた。
 裁量労働制とは、実際に働いた時間ではなく、「これくらい働いた」と決めた時間を基準に賃金を支払う制度である。一見すると自由な働き方に見えるが、会社から大量の仕事を与えられても賃金が変わらず、長時間労働につながる危険性がある。

 さらに政府は、「もっと働きたい人がいる」と説明しているが、記事では、実際には「労働時間を減らしたい」と考えている人の方が圧倒的に多いことが示されていた。
 本来必要なのは、「もっと長く働ける制度」ではなく、「短い労働時間でも安心して生活できる社会」をつくることであるはずだ。

【4.県労連に期待される役割】
 今回の記事を通じて、県労連には大きな役割があると感じた。
 働く人の中には、正社員だけでなく、非正規労働者、アルバイト、若者、女性、高齢者など、さまざまな立場の人が存在する。そうした人々の声を集め、社会へ届けていくことが労働組合の重要な役割である。

 また、中高生や若い世代にも、「なぜ労働組合が必要なのか」「なぜメーデーが続いているのか」を分かりやすく伝えていく必要がある。
 現在の労働条件や休日は、最初から存在していたものではない。多くの人々が声を上げ、少しずつ社会を変えてきた結果なのである。

【5.まとめ】
 今回の県労連機関紙は、「働く人を守ることの大切さ」を改めて考えさせる内容であった。
 100年以上前に求められた「8時間労働」の考え方は、現在でも決して古いものではない。むしろ、長時間労働や過労死が続く現代だからこそ、改めて大切にしなければならない考え方である。

 働く人が健康で安心して暮らせる社会を実現するためには、一人ひとりが労働問題に関心を持つことが必要である。そして県労連には、これからも現場の声を大切にしながら、多くの働く人々の支えとなる活動を続けていくことを期待したい。