県労連機関紙

友好団体高知県労連の情宣

1月機関紙

希望は現場から――高知の働く仲間とひらく2026年

【1.新しい年を前向きな一歩から】
 2026年の新しい年を迎え、高知で働く私たちの前には、また新しいスタートラインが広がっている。物価高や人手不足など、決して楽な状況ではないけれど、それでも職場では今日も多くの仲間が力を合わせ、地域の暮らしを支えている。その姿こそが、高知の一番の希望だと思う。

 電気、交通、医療、介護、保育、サービス業。どの現場も、働く人の誠実な努力によって成り立っている。誰かが汗を流し、誰かが現場に立ち続けているからこそ、私たちの暮らしは今日も動いている。新しい年は、「もっと安心して働ける職場へ」「もっと笑顔で暮らせる高知へ」と、一歩ずつ前に進んでいきたい。

【2.現場の声が未来をつくる】
 賃金を上げてほしい、休みをきちんと取りたい、ハラスメントのない職場にしたい。こうした願いは、決してわがままではなく、働く人として自然で正当な思いである。その一つひとつが積み重なることで、職場は少しずつ変わり、社会も前に進んできた。

 県労連が大切にしているのは、この「現場の声」である。声を出せば仲間がいる。仲間がいれば、孤立せずにすむ。話し合い、支え合いながら行動することで、よりよい労働条件と働きやすい職場環境を実現することができる。

【3.つながりが生む安心と力】
 働く人の悩みは、一人で抱え込むほど大きく、重く感じられる。しかし、同じ立場の仲間と分かち合えば、不安は少しずつ和らぎ、希望へと変わっていく。正社員も非正規も、若者もベテランも、立場や世代を越えて手を取り合うことが、働く人の未来を守る力になる。

 県労連は、そうしたつながりを地域に広げながら、高知のすみずみまで安心と連帯を届けている。組合の存在は、職場で困ったときに相談できる「居場所」であり、前を向くための「支え」でもある。

【4.午年に込めた前進のメッセージ】
 2026年は午年である。馬は速く走るだけでなく、仲間と歩調を合わせて長い距離を進む動物だ。労働運動もまた、一人で突き進むものではなく、仲間とともに歩むことで、より遠くまで進むことができる。

 小さな職場の声も、つながれば大きな力になる。今年もその声を大切にしながら、少しずつ、しかし確実に前へ進んでいきたい。歩みはゆっくりでも、仲間とともに進む道は決して間違わない。

【5.県労連への期待とともに】
 県労連が「現場第一」を掲げて取り組み続けていることは、働く仲間にとって大きな支えであり、希望である。苦しいときに寄り添い、悩みを聞き、解決に向けてともに考えてくれる存在があることは、何より心強い。

 高知で働くすべての人が、「ここで働いてよかった」「この職場で頑張ってよかった」「この地域で暮らしてよかった」と感じられる一年へ。2026年が、その実感を少しずつ積み重ねていく年になることを、心から願っている。仲間とともに歩むこの一年が、誰にとっても温かく、前向きな年になることを期待したい。

12月機関紙

最低賃金は「生きるための土台」である

最低賃金は「生きるための土台」である

――全国一律1500円へ、いま社会が選ぶべき道――

1.1000円を超えた、その先にある現実

 2025年度の最低賃金改定により、全国すべての都道府県で時給1000円を超えた。長年の努力が実を結んだ到達点であり、その意義は決して小さくない。
 しかし、現実の暮らしはどうであろうか。食料品の値上げ、電気代やガス代の上昇、家賃や通信費の負担増――月末に家計簿を見つめ、ため息をつく家庭は少なくない。1000円という数字は、依然として「生活できる賃金」とは言い難い水準にある。
 最低賃金は単なる象徴ではない。働く人びとの日常を支える、極めて現実的な生活の基盤である。

2.発効日の先送りが生む、見えにくい不公平

 今回の改定で深刻なのは、最低賃金の発効日が地域によって大きく異なったことである。10月に発効する地域がある一方、11月、12月、さらには翌年に持ち越される地域も生じている。
 この差は数字としては見えにくい。しかし、同じ仕事、同じ時間を働いても、賃金引き上げが遅れることで、その間の収入差は確実に生活を圧迫する。物価は全国一律で上がっているのに、賃金だけが地域によって遅れる構造は、公平とは言えない。
 この仕組みは、地方から都市部への人口流出を促し、地域の人手不足と経済の弱体化をさらに進める要因ともなっている。

3.「準備期間」という説明の限界

 発効日先送りの理由として、「使用者の準備期間が必要である」と説明されている。しかし、どのような準備が、なぜこれほどの期間を要するのかについて、明確で納得のいく説明は十分とは言えない。
 一方で、最低賃金の引き上げを切実に待っているのは、日々の暮らしに余裕のない労働者である。理由があいまいなまま先送りが続けば、「誰のための制度なのか」という疑問が生まれるのは当然である。
 最低賃金は賃金を抑制するための制度ではない。生活を守るための制度である。

4.最低賃金法の原点に立ち返る

 最低賃金法の目的は、賃金の最低限を保障し、労働者の生活の安定を図ることである。これは憲法が保障する生存権を、社会制度として具体化したものである。
 その原点から見れば、生活が苦しい局面で改定の効果が遅れる現状は、制度の趣旨と乖離していると言わざるを得ない。判断の中心に据えるべきは、「事業の都合」ではなく、「働く人が生活できるかどうか」である。

5.生計費にもとづく最低賃金と全国一律1500円

 最低賃金を真のセーフティーネットとするためには、生計費にもとづいた決定が不可欠である。家賃、食費、光熱費、教育費――これらを無理なくまかなえる水準こそが、最低賃金のあるべき姿である。
 同時に、地域によって生存条件が左右される現状を改めるため、全国一律最低賃金制度の実現が求められる。「2020年代に1500円」という政府目標は、決して過大な理想ではなく、普通に働けば普通に暮らせる社会の最低条件である。

6.高知から広げる、生活に根ざした確かな根拠

 高知県労連は最低生計費調査を通じ、働く人びとの生活実態を数字として示してきた。声とデータを積み重ねることで、最低賃金引き上げの必要性は、社会に共有されていく。
 最低賃金は数字ではない。この社会が働く人をどれだけ大切にしているかを映す鏡である。1000円を超えた今こそ歩みを止めるのではなく、全国一律1500円へ、確かな一歩を踏み出すときである。
 高知から全国へ。誰もが安心して働き、安心して暮らせる社会を、私たち自身の手で実現していこう。