第30回県労連定期大会

2017年09月03日 23:23

本日、高知県労連定期大会に本組合から委員長以下2名が参加してきました。最初に全労連副議長長尾ゆり氏、衆議院1区予定候補松本顕治氏が来賓として挨拶されました。その他にも高知県知事尾崎正直氏、高知市長岡崎誠也氏、愛媛地方労働組合連合会、香川労働組合総連合、徳島労働組合総連合などの代表者からメッセージがありました。

次に労働組合2017年度運動方針、予算、衆議院選挙、人事、抱えている労働問題などについて、各労働組合の代議員、代表者など合計77名で討論が行われました。

今回の定期大会において、本組合にも討論の機会を頂きました。9月1日の組合集会など、今日まで組合員の意見要望を取りまとめた内容を、壇上にて報告致しました。

(本組合からの発言全文)
高知県労連田口委員長がいつも話題にされる近江商人の活動理念、売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よしに加え、働き方よしの四方よしの精神を常に意識しながら、私たちNHKよさこい労連組合員は仕事に、そして労働組合活動に励んでいます。

私たちはNHKの営業業務委託を通じて、日々視聴者から受信料を預かる仕事をしています。昨今、その受信料をNHKが私利私欲に走らず、視聴者に還元できているのか?と問えば、首をかしげる様な事が世間を騒がしています。NHKがネット同時配信を制限している法律を改正し、民放にも参入を促す、要するにテレビのない家庭からも、受信料を徴収しようとするNHKの思惑が報道されました。
 
近年、若者のテレビ離れ、世帯増加の鈍化、人口減少などに対して、受信料収入の維持増加を図る施策と思いますが、ここに国民の意見が反映されているようには思えず、「NHKが暴走している。」という印象を持たれています。

そんな国民の空気を察してか、高市総務大臣は「視聴者に利益を還元するという観点がない」と、NHKの姿勢に対し、待ったをかけました。NHKは営利を目的とせず、国家の統制からも自立して、公共の福祉のために行う団体であり、利益や私利私欲を最優先とする団体ではないということです。

受信料業務の最前線で働く私たち組合の考えとしては、ネット同時配信による受信料徴収に対して、視聴者に説明し、納得してもらうためには、もう少し見直しが必要ではないかと考えています。

それよりもまず、高齢者、低所得者、障害者に対する受信料の減額、制度の再調整、有益な放送、視聴者の皆様が納得できる給与体系、世間の手本となる働かせ方、すなわち売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よしに加え、働き方よしの四方よしの精神を重んじた運営を、NHKに対して要求していきたいと考えています。

それでは本組合の組織拡大、契約継続雇用安定のために取り組んでいる活動の近況報告をさせてもらいます。まず、私たちの組合を知ってもらう為に、ホームページを開設し、不定期に情宣を発信しています。

さらに、NHK高知放送局に来局される方、NHKで働く方に、掲示板を通じて私たちの存在、活動内容を知ってもらいたいと考えていますが、私たちの労働組合掲示板は、正規職員で組織された労働組合、日本放送協会労働組合(以下日放労)掲示板と同じ場所にありません。日放労掲示板は一般の来局者、NHKで働く方など、誰もが閲覧できる場所に設置されていますが、私たちの組合掲示板はNHK営業部内の暗い場所にひっそりと設置されています。

故に、一般の来局者はもちろんのこと、本組合特別組合員(NHK以外の方)でさえも、許可なく立ち入ることは禁じられ、自由に閲覧できません。その為、NHK高知放送局で働く多くの方は、本組合の存在さえも知らないと思います。

秋闘、春闘団体交渉にて、日放労と同様、誰もが閲覧できる場所に本組合の掲示板を設置し、便宜供与の差別をしないでほしいと要求を続けています。

しかし、NHKからは営業部内にも日放労の掲示板を設置しているので差別ではないとの回答が続いています。この件は組織拡大の取り組み以前に、便宜供与の差別に関わることですので、今後も粘り強く交渉していく考えです。

次に、働くルールの確立、契約継続、雇用を守る取り組みですが、委託者の契約継続、雇用安定、交通費、燃料費の不払い、クレームを誘発する無理難題なノルマ、パワハラ、いじめ、嫌がらせなどの問題解決のため、NHKと上記掲示板問題と同様に団体交渉を重ねています。また、団体交渉の際には、高知県労連田口委員長にたびたび同席して頂いています。

NHKが受信料業務を民間外部法人企業に委託する方針に転換してから、5,800人いた個人委託の地域スタッフは、ここ数年で4,400人、3,300人、2,700人、2,100人、1,700人、そして現在は1400人まで減少し、次々と個人委託者が失業に追い込まれています。

この背景には、NHKの責任丸投げ、労働者団結の分散、世の格差是正の流れを危惧し、正職員と同様の業務を行っている非正規地域スタッフとの格差対象者をなくすためなど様々な思惑が見て取れます。そして、その拡大した法人の社員も会社からピンハネ、質の悪い取次手法の強要など劣悪な労働環境で従事しているとの報告があります。

個人委託者は労働法、労働契約法では労働者として扱われず、私たちを守ってくれるはずの法律がありません。常識外れのノルマを設定しても、何千人首を切っても、法でおさえることはできません。法律で保護されないというのはどれほど人間を軽く扱われるか、いまだこの差別待遇に慣れることはありません。

まとめになりますが、現在、私たちの組合は全日本受信料労働組合(以下全受労)と交流を重ねています。全受労はNHK地域スタッフの労働者性を訴え、活動を続けている労働組合です。そして、平成29年4月13日の東京地裁で労働組合法上、個人委託の地域スタッフは、労働者と認める判決を全受労は勝ち取りました。

この判決で地域スタッフは労働者の地位と団体交渉の正当性が確立しました。私たちは毎日何かを忘れて生きています。しかし、痛みは決して忘れず教訓とし、未来を考えないといけません。今後も高知県労連、全受労の方々と連携を図り、労働環境改善、個人委託者を保護する法整備を要求していく考えです。
以上

(討論を終えて)
いつもながら、私たち個人委託者に対する働かせ方は、他労働組合の労働問題を圧倒するほどの内容であり、浮世離れした空気さえ感じ取れました。現在、日本の法人企業の内部留保は400兆円を超えました。しかし、それほどの貯蓄がありながらも非正規労働者、個人委託者が報われてはいません。今もなお、使い捨てのような働かせ方を強いられている労働者が存在します。

今回の議論において、労働組合、県行政が共通する思いは、県民が誇りをもって働く高知県。労働者や県民、市民を守る高知県。社会貢献や平和運動を行う高知県。魅力ある都市作り、職場作りに心がけ、取り組んでいこうという思いで一致しました。

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